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CheatCut.hatena

noise&randomness

むだに買う*むだに使う

たまに映像を作ったり、デザイン的なことをやっている。作るのは、たいてい仕事場で。家のPCは5年前に買ったもので、当時としても普及機であった。現在の映像編集ソフトを動かすのはつらい。そもそもインターネットも家ではやっていないし、スマートフォンも持っていない。カメラくらいは持ったらいいだろう。そう思って、カメラを買った。一眼レフは持って歩けないのでコンパクトカメラにしたのであるが、「どうせ買うなら、自分にふさわしいものを」と、根拠のない料簡(りょうけん:めぐらせた考えのこと)に惑わされて思って、コンパクトカメラの中でも、最高級に近いものを買う。Nikonの「cool pix A」というカメラである。これなら、安い一眼レフに近い映像がとれるし、「RAWモード」で撮影ができる。通常、スマートフォンも含めて撮影したものはjpegというファイル形式で保存される。それに対して、「RAW」で撮影しておくと、photshopで加工がしやすく、綺麗な写真に仕上げられる。通常の画像ファイルのjpeg方式も作れるし、グラビアなどで使われているtif方式のファイルも作れる。

そう言うわけでして、予算オーバーや、欲しかった色が売り切れであった状況で立ち止まらずに買ってみた。

買ってからとるものがない事に気がついたよ。とりあえず、一人で押上に行ってスカイツリーをとってみた。昼ご飯をとってみた。人からいただいた蜜柑をとってみた。特に喜びや快感は湧いてこなかった。果てに、近所の草むらや仕事場の階段や窓の外の景色をとるに至って、撮影のモチーフは尽きてしまった。7月現在、すでに家に置きっぱなしである。家から出ないカメラ。カメラオブスキュラ。

買ったカメラは、外で使える最高機種に近いため、言うほどコンパクトでもないし、軽くもないためもある。しかし、そんなことはわかっていたはずである。多少重かろうと、かさばろうと、持って歩いてまで何かを撮影したいと、必要にかられて買ったのじゃなかったか。と、思い返したら、そうでもない。なんか、ノリというか、衝動で買った? ただの衝動買い? 6万円近いよ。

今回の結論。

たいていの人は、最高級の技術など望んではいない。今や、写真は、真の姿を映すもの(それの極みが「御真影」であった。)から離れ、ただ、自他に伝え残すために、状況を映像(動画という意味ではなく、光によって映し出されたもの)として保存しておきたい、というところからくるから、鮮明な映像を望んでいるのではない。多少ぼやけようが、構図がずれていようが、そこは見る人が頭の中で修正する。必要な情報が映っていればよい。そのためには持ち運びに便利なもの、というより、持ち運んでいるという感覚を持たせない機器を望んでいる。日常、複雑で高級なものなど望んでいないのだ。Instagramの隆盛もそれを示しているだろう。

スマホ買えばよかったよ。既にオブジェだよ。オブジェをとるべきカメラが、オブジェね。

また明日。