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民俗学漫談第29回*炭素原子

ネットワークについてです。

ネットワークは、何かと何かを結ぶものなんですが、AとBを結ぶ。

これでは、いわゆるホットラインであって、ネットワークとは呼びません。

では、AとBとCを結んでみる。

AとB、BとC、CとA。

これでネットワークになったんでしょうか。

まあ、ネットワークと呼べないことはないんですが、なんか、遠回りしている気がします。

これに、DやEが加わると、結びつける線が無駄に増えて混線しそうです。

そこで、ふつう、ネットワークには、「ハブ」を設けます。

「ハブ」は中心、中枢の事です。

第一の意味は、車輪のこしきの事です。

「こしき」っていうのは、車輪の中心、そこを中心に回転する部分のことです。

自転車の車輪の方がイメージしやすいかと思いますが、あれがハブです。

で、ネットワークにおいては、ハブを設置して、そこを介して各ノードを結ぶ。

ノードっていうのは、さっき言った、AとかBとかのことです。

ハブをいくつか置いて、ノードを結ぶ。それを眺めると網の目のようになっているから、ネットワークと呼ぶことにしました。

社会のネットワーク

今、言っているのは、電子ネットワークのことですが、近ごろは、脳の構造も人間社会の構造も、ネットワークとして示すようになりました。

まあ、分かりやすいものに、たとえたがりますからね。人間の習性ですね。

そこで、人間社会をネットワークでたとえて見ます。

個々の人間がノードですね。

ノードとノードが社会的な関わり合いをするにつれ、ネットワークが広がってゆきます。

知り合いが増えるたびに、新たなリンクができます。

逆もあります、仕事をやめたりして、組織から抜けると、それまでかかわっていた人たちと、ほとんどかかわらなくなる事もあります。

人間社会がネットワークなら、当然ハブがあります。

これも人です。

いますよね。交際関係が広くて、付き合いがよくて、知り合いが普通の人の十倍も百倍もいる人が。

知り合いが多いということは、入ってくる情報が多いということです。

人間は、昔から情報を求めてきました。生きるのに必要な情報を、です。

そこで、今でも、とりあえず情報は欲しがる習性があります。

知り合いが多い人は、人間の社会で、ハブのような役割をするようになります。

その人を介せば、目的の情報、人にたやすく行けますからね。皆、利用するわけです。

皆、その人に近付くから、ますます、その人のハブの役割は増してゆく。

さらに、すでに存在しているネットワークとネットワークがハブで結ばれる。

ジャンルの違う人と人とを結びつけるのも、ハブなんです。

何であれ、一つの物が売れたり、流行ったり、利用されたりするのは、ネットワーク型社会の自然現象のようなものなんです。

そのままにしておけば、ハブに集中します。

その反面、既存ネットワークへのリンクが薄れてゆく人も増えてゆきます。

現代の問題は、情報リテラシーのあるなしじゃなかったんですよねえ。

たやすく情報が、大量に手に入るがゆえに、一斉に一つの物へと向かうという、自由民主主義ならぬ、全体民主主義へと向かっています。

全体としては、自由を失っているんですよ。制度が。

コンマ数パーセントの者が経済的利益を抱え込む。

現代は、経済社会ですから、わざわざ「経済的」と断る必要はありませんね。

その他大勢、9割以上の人びとは、他の人びとと同じこと、同じ手続きをしないと生きてゆけなくなってしまっているんです。

働き方、人との付き合い方、生活の仕方、情報の得方、人生の「作り方」まで。

これは、全体主義社会ですよ。

脳の構造

で、今回は、そういう批評的なことを言いたかったんじゃないんです。

脳の構造もネットワークで表されています。

使う部分はネットワークが形成されて、使わなければ、衰えてゆきます。

で、脳の話をしたいんじゃないんですよ。

炭素原子の話

何の話をしたかったかというと、原子です。

しかも、炭素原子です。

物質には無機物と有機物があります。

無機化合物と有機化合物と言った方がいいかもしれません。

有機化合物は、炭素原子が入った化合物のことで、生物は、これでできています。

無機化合物は、有機化合物以外の化合物です。

分かりやすい定義ですね!

で、数から言うと、有機化合物が圧倒的に多い。

詳しくは知りませんが、1000倍は差があります。

有機化合物は数千万種類ありますから。無機は数万種類だった気がします。

そう言うと、有機化合物を構成する原子は、さぞかし種類が多いんだろうなあ、と思いきや、炭素、窒素、酸素、水素などを主なものとして、10種類ちょっとでほとんど作っているんじゃないんでしょうか。

 

何ゆえ、そんなに数少ないもので多くのバリエーションができるのか。

ポイントは、炭素原子にあります。

炭素原子は、他の原子と結合しやすいんですよ。

原子と原子は、どうやって結合するのかというと、基本は、「共有結合」です。

簡単に言うと、電子というものを持っています。原子は。原始の外側に電子が存在しているんですが、そのいちばん外側に存在している電子のうち、どうも、片手が空いているのがいる。手をつなぐ相手を待っているのがいるわけです。

そう言う電子、他の原子と結合できる状態にある部分を、炭素原子は4つも持っています。水素は一つです。酸素は二つです。

で、二個の水素原子と結合して、水分子になるわけです。

炭素は4つも持っている。4つの原子と結合できる懐の深さを持っているわけですね。

自分をあいまいにしているわけですよ。

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余地を残しておくんですね。自分は自分! もう完成している、と金やプラチナのような依怙地なことは言わないんですよ。炭素は。

しかも、結合の仕方によって別の物質にもなります。元素の種類、数がまったく同じでも、手のつなぎ方を変えると、別のものになるんですね。

こうして、炭素原子は、有機物の数を増やしていったわけです。

人間にとって、常温で固体なのも便利なんですよ。

水素や酸素、窒素など、他の物は気体ですし。

結合の仕方によっては、ダイヤモンドにもなります。

ちなみに、ダイヤモンドは、炭素だけでできているので、「単体」です。有機物とか、無機物とかじゃありません。

さらに、炭素は、単体で鉛筆になりますね。

鉛筆は、炭素がはがれやすいような構造になっているから、字が書けるんです。

人類にとって、鉛筆は、ダイヤモンドよりはるかに重要なんですよ。

 

みんな、若いうちは、金やプラチナになりたいんでしょう。

私もそうでした。

珍しいし、変化しないし、ちやほやされるし、輝いているし。

でもね、金よりも炭素の方がはるかに役に立つんですよ。