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文芸

哲学関連覚書

『ニーチェ全集第10巻』『ニーチェ全集第10巻』「第二論文〈負い目〉〈良心の疾しさ〉およびその類のことども」393.負い目の感情や、個人的責務の感情はすでにわれわれが考察した様に、その起源をば、およそ存在するかぎりの最古の最原始的な個人関係のうち…

魚増(うおます)

魚増(うおます) 新宿駅頭(えきとう)を西に出て、超高層ビル街を抜け出たところに、かつての景勝地の面影を残す中央公園がある。中の池に落ちる滝は、いまでは人工の滝に見えるが、かつては自然の滝であった。滝のほか、大小の池を擁し、江戸時代から名所とし…

夜の覚書

夜の学校、夜の教会、夜の東京タワー夜とつけるだけで、タイトルに惹かれてしまい添うてず。夜は、人を引き付け、そして呑み込もうと、誘ってきます。誘惑に対する抗いがたまりません。ジェットコースターなどとは比べ物にならないのです。真夜中だけあける…

ポエム

芥川あらゆる詩人たちの問題は恐らくは「何を書き加えたか」よりも「何を書き加えなかった」にある。 詩の作りは、一番はあいまいというか、抽象的なものにして、二番で具体的な言葉を使うと感動する。 自分のなかから現れ出てくる言葉を使わない。その代わ…

格言

ゲーテ あの人の性に合ったところへ連れて行くのが最善の方法 少年時代から力の限り自分を守ってそうして大人になるのが人間なり。 誠実に君の時間を利用すべし。 何かを理解しようと思ったら、遠くを探すな あせる事は何の役にも立たない。後悔はなほさら役…

随想

ある人に、おすすめの外国文学の話をしていたら、「外国文学は名前がカタカナだから覚えられない」と言っていた。そんなものかね、と思っていたら、この間、青春小説を読んだが、「希美子」とか「朱里」とか女子の名前が次から次へと出てきて、どれが主人公…

俳句

少しばかり月かけたれば秋の空 夏草や並びて歩く夏野かな 季が重なっているが、構わない。 静けさや蝉も暑さで昼寝らし 夕方に蝉鳴き始め寝坊らし 猫丸く隅に眠れる星月夜

ごはんぢゃわんのやっこさん

おれはやっこさん 茶碗の内側に住んでいる お天道様が昇ればおれは働く わっせ ごはんつぶがふっくら炊ければ おれの出番だ やっこさん あつくてもおれはまけない 重いご飯がやってきても大丈夫 おれが持ち上げるからね わっせ テーブルの上に茶碗を並べれば…

小説覚書

まず書いてみる。 それができたら、苦労しないわ、と思うかもしれないが、書ける「部分」はあるはず。 まず、やりがちなのが、小説の頭から書こうとしてしまうこと。 もちろん、出だしと、締めと、タイトルを先に決めて書く場合もあります。 でも、書きたい…

楽しい話

昔話みたいな雰囲気だけど現代のはなしっていうところがめずらしいかもしれないね。おれれはたのしく読んだ。 馬と羊と牛とヤギと鳥が近くにいる。牛と羊はいつも違う場所で放牧されている。牛は日本の牛と違ってふつうの目をしている。

もしもシンデレラの王子様があのデンマークの王子だったら

ある梅雨の日、シンデレラは、アンニュイに悶々としながら肘かけにもたれていました。 あの運命の舞踏会から十年、王子は王になり、シンデレラは王妃となっていました。 しかし、その生活はシンデレラが思うものとは違っていました。 豪華な調度品、きらびや…

【解説芸】シンデレラ

シンデレラの話はどういうものであったかな、と『青空文庫』で読んでみました。 水谷まさる シンデレラ まず、冒頭に詩があります。 シンデレラを讃たたう 神につながる心持つ世にも可憐なシンデレラ雨風つよくあたるとも心の花は散りもせず。 魔法の杖の一…

もしもシンデレラの王子様があの印度の王子だったら

ある春雨の日、シンデレラは、アンニュイに悶々としながら肘かけにもたれていました。 あの運命の舞踏会から十年、王子は王になり、シンデレラは王妃となっていました。 しかし、その生活はシンデレラが思うものとは違っていました。 豪華な調度品、きらびや…

東京日記

明治神宮の井戸にとびこんだ話 原宿駅で電車を降りて 明治神宮の大鳥居の真んなかをくぐった 鎮まった砂利道を歩いていたら 耳をつんざく音がして 三機の飛行機が急降下した 降りて来ると思ったらおれれ目がけて飛んで来た 恐ろしくなって 近くにあった加藤…

小説;自己忘却セミナー

一 夕方五時の放送が響く。破(わ)れたスピーカーの音に続いて、夕焼け小焼けの曲が流れる。 「何だあの音は!」と男が撥ね上がった。 「何だって、五時だろ」 相手の男はちゃぶ台を挟んで答えた。こちらは心持鉤のある鼻を、スポーツ新聞に向けたままである…

短い小説:幻花燈ーまぼろしのはなのともしびー

good to the taste 蒸篭の縁にからしを塗り添えて肉まんを食べていたら 同じ様に蒸篭に入って肉まんの向うに控えていたあんまんが「たまにはおれにもからしを塗ってくれ」と云う 肉まんをつまむ手を休めて あんまんに眼をやった 「くれ、くれ」 「あんこにか…

小説;『ブラボー親爺』  

『徒久゛多煮』と太く勘亭流で書かれた行燈が軒先にかかる。木枠のガラスケースには佃煮が並ぶ。佃煮に挿してある薄板には価とともに、『あさり』や『うなぎ』と書かれてある。くつがえった札が二枚ある。 店の奥、上がった六畳間にはちゃぶ台を差し挟んで親…

小説:Z(ツェット)氏のけしき

Z(ツェット)氏のけしき 一 坂の上にベンガラ色をした三角屋根の家があって、庭に植えた桃や梨の木が、黄色い物干台の高さまで伸びている。 日曜日、Z氏が物干台に立って洗濯物を干していた。 長四畳くらいの物干台には物干し竿が一本渡してある。 空は澄ん…

個人的な小説のルール

Master your instrument Master the music.And then forget all that bullshit and just play. -Charlie-Paarker- 小説が自分にとって、何のために存在するのかを知る。その目的に適っている事を書き、叶っていない部分は外す。自分が書きたい様に書くのでは…

Old essay

昔書いたエセーです。10年前。 楓の木は、一年に三寸しか伸びず、長するのに二十年以上もかかる。ゆっくりと伸びるために、木が固くなり、ゆがみが少なく、楽器に用いられる。 一万年前まで、今のアイルランドあたりで、巨大な角を持った鹿がいた。角がある…