CheatCut

noise&randomness

サンライズ出雲に乗る

東京駅に9時過ぎについたのはいいが、寝台車の発車するホームがわからない。
夜も更けてきたから、案内所も人がいない。
構内を歩いて、新幹線の乗り場に駅員がいたから、訪ねると十番ホームという。
十番ホームを探して階段をあがると、東海道線のホームであった。
十時の汽車であるから、まだ電光掲示板にも出ていない。
通勤客や遊び帰りの人々の行き交うプラットフォームを行ったり来たりする間に、十時に近くなり、電光掲示板にも『サンライズ』の表示が出て、寝台特急がやってくる。
人々が写真を取り出した。
自分もカメラを向ける。

f:id:CheatCut:20200905181044j:plain

サンライズ出雲

f:id:CheatCut:20200905181542j:plain



なかに入って、自分の予約した部屋に向かう。
狭い通路を挟んで、部屋の口が左右に開いて並んでいる。

f:id:CheatCut:20200905181648j:plain



一畳半くらいの寝台であるが、自分は寝台特急に乗るのは初めてであるから、ただ愉快に感じた。

f:id:CheatCut:20200905181740j:plain

f:id:CheatCut:20200905181923j:plain

f:id:CheatCut:20200905182346j:plain

f:id:CheatCut:20200905182344j:plain






車掌のアナウンスすら、旅情を掻き立てる声をしている。
窓は、天井近くまで湾曲してあり、寝ながら空も見える。
汽車が走り出し、東京駅の夜のホームが、低いところを流れてゆく。
自分はシャワーを浴びて出てきたから、シャワーカードなどは買わない。
水を飲みながら、夜の景色を眺めているうちに横浜についてしまう。
ここから乗ってくる客もいるらしい。
ラウンジの近くの席で、声が聞こえてくるから、耳栓をして、明かりを消して、カーテンを下げて浴衣に着替える。
席にあるパネルをみると、ラジオも聴け用であるが、イヤホンを持っていない。
いくつかのスイッチを押して、どこの明かりなのかを確かめてみる。
そうしているうちに寝ている乗客を運んでいる汽車は、平塚や小田原を通り過ぎる。
自分は胡坐をかいて、いつまでも途切れぬ夜の街並みや踏切を眺めてゆく。
部屋の明かりを消し、横になっていると、熱海に着いた。
降りた客がいた。
終電車はまだのようである。
明かりを消し、横になる。
耳栓をしているから、振動音も大して気にならない。
眠ったほうがいい気もするが、眠られずに、汽車はやがて停止する。
夜も更けているから、熱海以降は到着のアナウンスもない。
駅員すらいないホームを見ると浜松のようである。

f:id:CheatCut:20200905181943j:plain



また、客が降りる。
一時を過ぎているが、改札から出られるらしい。
眠られたのは、三時くらいであったろうか、目が覚めると、すでに空が明るく、時計を見れば6時を過ぎていた。
そうして、やがて、姫路につき、岡山で、瀬戸内海に向かう車輛と別れ、出雲に十時に着いた。
十二時間かかったが、一人きりになれるし、横になりながら勝手に運んでくれるので楽であった。